施設が決まったあとの実家は? 決める前に、手元で確かめておくこと
親御さまの施設が決まったあと、実家のことまで手が回らない時期があっても、自然なことです。売るのか、貸すのか、持ち続けるのか。慌てて決める話ではなく、まだ決められない、というところからで構いません。
このページは、決めるための話ではありません。決める前に確かめておくと、あとの判断が楽になる場合があることを、手元でできる順に並べました。

実家のことで、気になりやすいこと

親御さまが施設に移ったあとの実家では、次のようなことが気になる場合があります。
- 鍵と郵便を、誰が見るか
- 家の中のもの(片付けと、残したいもの)
- 家をこれからどうするか(売る・貸す・持ち続ける・まだ決めない)
どれも、いまこの場で決める必要はありません。ただ、税の扱いや手続きの中には、時期によって条件が変わるものもあります。ご自分の場合に当てはまるかは、税理士などの専門家にご確認ください。
親御さまがいつか戻るかもしれない、と思う気持ちがあるのも自然なことですし、「いま家のことを動かしてよいのだろうか」とためらう方もいらっしゃるかもしれません。確かめるだけなら、何も動かさずにできます。
確かめておきたい4つのこと

実家に行ったときにできること、家にある書類でできること、窓口で確かめること、の順に並べました。気が向いたものから、1つずつで構いません。
1. 鍵と郵便(実家に行ったときに)
鍵は、本数と持ち主を確かめます。郵便は、郵便受けを開けて、届いているものの種類を見ます。チラシが多いのか、公共料金や役所からの封書が混じっているのか。種類が分かると、誰がどのくらいの間隔で見に行けばよいかが考えやすくなります。郵便物の扱いの手続きは、郵便局の窓口で確認できます。
2. 火の元と水まわり(実家に行ったときに)

人が暮らしていない家は、様子が見えにくくなります。ガスの元栓、コンセントの差したままの家電、蛇口の閉まり具合、流しの下や天井に水の跡がないか、冷蔵庫に傷みやすい食品が残っていないか、窓の鍵。見て回るだけで構いません。
電気・ガス・水道の契約を続けるか解約するかは、家をこれからどう使うかで変わります。決めるのはあとでよいので、いまは「どこと契約しているか」が分かる請求の通知を、1枚ずつ控えておけば十分です。
3. 固定資産税の通知(家にある書類で)
固定資産税は、毎年、市区町村から納税通知書が届く形で納めます。土地や家屋については、課税明細書も付きます(地方税法第364条第3項)。この通知について、宛名は誰になっているか、どの住所に届いているか、納付書で払っているのか口座振替なのか、を確かめます。届け先を変える場合の手続きは、市区町村の税の窓口で確認できます。
通知が実家に届いたままになっていると、郵便受けにたまって気づきにくくなります。1.の郵便の見回りと、あわせて考えておくと楽です。
4. 名義(窓口で)
家の名義は、法務局で登記事項証明書を取ると確認できます。登記事項証明書は、手数料を納めれば、どなたでも請求できます(不動産登記法第119条第1項)。請求の方法は、法務局のホームページで確認できます。
見るのは、名義が親御さまのままか、すでに別の方の名義になっているか、共有になっていないか、の3点です。3.の通知の宛名と見比べておくと、違いに気づくきっかけになります。宛名と名義が違っていても、それだけで不都合があるとは限りません。気になるときは、市区町村の税の窓口や司法書士に確かめられます。
一般的には、名義が親御さまの家についてこれからを考えるときは、親御さまのお気持ちを伺うところから始まります。ご事情によっては、司法書士などの専門家に確かめながら進める場合もあります。

確かめたことを、メモにまとめる

次の5つを1枚にまとめておくと、あとで家族や専門家に話すときの材料になります。
- 鍵と郵便(本数・持ち主・届いているものの種類)
- 火の元と水まわり(気づいたこと)
- 固定資産税の通知(宛名・届け先・払い方)
- 名義(誰の名義か)
- 分からなかったこと
分からなかったことが残っていても、問題ありません。「ここが分からない」と分かっていること自体が、次に確かめる順番になります。
次の一歩は、1つだけ
次に実家へ行ったとき、郵便受けを開けて、届いている郵便の種類をメモしてみてください。それだけで十分です。売る・貸す・持ち続ける・まだ決めない、どれを選ぶ場合にも、この確認は役に立ちます。
監修:株式会社HY(横浜駅前の相続・空き家・事故物件・終活の不動産相談窓口)
代表取締役 田澤 英大(宅地建物取引士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/CFP/公認不動産コンサルティングマスター)
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